追い越し車線のスピードが上がらない。御殿場の手前の二股に差しかかる頃ようやく前が空いて来た。アクセルを踏み巡航速度を上げる。バックミラーのNEW5編隊が少し遠くなる。3台ともヘッドライトを点灯しているので視認性が高く一目でそれ(3台のグループ)とわかる。四輪も昼間時点灯をおおいに奨励すべきではないか。自車の視認性を上げることによる事故防止効果は大きいはずだ。
御殿場出口を知らせる標識が見えて来た。車線を左へと移す... とその時、見慣れない物が高速道路脇に... あれ何?... あれが例のやつじゃない... ああ、御殿場のアウトレットってあれかあ... 寄って昼飯でも食べて行こうか?... えーほんとにー?...
だいたい僕はひとたび車を転がし始めたら、渋滞だろうがなかろうがとにかく車を止めない。どんな遠出でも目的地までただひたすら走り続ける。それはレース屋の本能のようなもので、いったんスタートしたらフィニッシュするまでとにかく最短時間で行くことに全精力を注ぐのである。したがってサービスエリアなどで止まることなどまずない。SAの標識をみかけて「トイレ大丈夫?」と聞くことはあっても止まらない。一度、スキー帰りの中央道で給油の時間を惜しんで
205GTIのアクセルを踏み続けJAFを呼んだことがあるくらいだ。
そんな僕が『寄ってく?』などと言ったのだ。しばらくはみな耳を疑い僕の真意を探ろうとしているかの沈黙... (えっ?いまパパ何て言った?)... もうすぐ昼だし、松本へは今日中に着けばいいんだし、寄ってみようぜ... と陽気に語る僕にTALK BACKする慣習は我が家にはなく、まして狭い我が家がさらに狭くなった車中、旅は始まったばかりのこの時に、私が切ろうとするステアリングに異議がある者はいるはずもなかった。
to be continued...